人の髪の毛は、生命が芽生えてから9〜14週間で、皮膚ができてくるのと時を同じくして発生します。
そして胎生5ヶ月くらいで、まずうぶ毛と呼ばれる初めの髪の毛が完成します。胎生8ヶ月頃からそのうぶ毛は徐々に軟毛という
毛に生まれかわり、軟毛のまま人は誕生を迎えます、そしてさらに生まれて3〜6ヶ月目ぐらいには、硬毛と呼ばれる髪の毛です。
ところでこの、生まれる前に生えているうぶ毛ですが、皆さんが日頃うぶ毛と呼んでいる毛とは、また別のものです。俗にうぶ毛と呼ばれる
毛は、軟毛のことを言います。うぶ毛と軟毛はよく似ており、ともに毛髄がなく柔らかい髪の毛で、メラニン色素も少ないので茶色い色
をしています。軟毛は、成人でも額の生え際などに生えていることもあります。また男性にとっては困ったことですが、男性型脱毛症に
なると、硬毛が軟毛に逆戻りという現象も見られます。
赤ちゃんの髪の毛の量と大人の髪の毛の量は、ずいぶん違いがあります。大人の方がはるかに髪の毛の本数が多いように思います。
でも、その髪の毛が生えている毛穴の数は、生まれた時と同じなのです。違いは、同じ毛穴に生えている髪の毛の種類や太さと本数です。
大人の頭皮の毛穴には、通常3本の硬毛が生えていますが、赤ちゃんの場合、生後3〜6ヶ月位までは軟毛で髪の毛が細く、
一つの毛穴に3本も生えていないからなのです、また、たとえ硬毛にうえかわったとしても、大人に比べて細く、
三毛群を形成していないからなのです。
髪の毛は、毛根部にある毛乳頭の毛母細胞が分裂し、それが次々に押し上げられて成長していきます。毛母細胞から分裂した細胞は、
毛包、メデュラ、コルテックス、キューティクルなどに分化しながら、角化するのです、この時、毛母細胞のところに存在する
色素細胞が角化細胞にメラニン顆粒を送り込み、その量や大きさの違いから髪の毛の色が異なってくると考えられています。
髪の毛は、永遠に伸び続けるものではなく、平均して4年〜6年の寿命で生えかわっています。つまり髪の毛は、ある程度の成長を続けた
あと自然に脱毛し、また同じ毛穴から次の髪の毛が生えてくるのです、このように髪の毛は、ある一定の周期で生えかわっています、
この周期をヘアサイクルと言います。
ヘアサイクルは3つの時期に分かれています、成長をつづけている成長期、成長が止まって抜ける準備に入る退行期、完全に成長が止まって
いる休止期の3つです、髪の毛は、成長期から退行期、休止期、そしてまた成長期というサイクルをくりかえします、その成長期から
次の成長期までの1周期が、つまり髪の毛の寿命で、女性の場合平均4〜6年というわけです。
成長期
髪の毛全体の約85〜90パーセントが成長期です、髪の毛の一生の中でも、成長期がそのほとんどの時間を占めています。
成長期には休止期の髪の毛の毛包が、真皮内に下降を開始し、毛球部分がもとの深さのレベルまで達すると、
毛母細胞が新しい髪の毛を産生し始めます。次に新しい髪の毛は、休止期の髪の毛を押し上げて脱毛させます、その後退行期まで
盛んに成長を続けます。
退行期
髪の毛全体の、わずか1パーセント程度が退行期です。
退行期の期間はたった2〜3週間です。
退行期には、髪の毛の毛包の収縮が始まり、細胞分裂を停止して、休止期に入ります。
休止期
髪の毛全体の約10〜15パーセントが休止期です。
休止期の期間は数ヶ月です。
休止期の髪の毛は上のほうに押し上げられ、毛包の深さは約3分の1になっています。
人の髪の毛は、いつも量が一定に保たれています、たとえば犬や猫のように、季節ごとに一斉に脱毛して生えかわったりせず、
髪の毛一本一本のサイクルは異なります。だから一度に抜けることなく、毎日自然に髪の毛が抜けていくのです。
毎日どれくらいの髪の毛が自然に抜けるのかというと、退行期〜休止期の髪の毛は10〜15パーセント、髪の毛の総本数を10万本とすると、
その数は1万〜1万五千本、これだけの髪の毛が3〜4ヶ月かかって抜けるので、一日平均約100本が自然に抜けるということになります。
また別の方法で計算してみますと、髪の毛総本数を10万本、ヘアサイクルを五年とすると、一日で約55本の髪の毛が自然に
抜けることになります、つまりいろいろな計算から、一日に抜ける髪の毛は約50〜100本ということになります、しかし
これにもかなり個人差があり、また外部からの影響や体調によっても大きく左右されます。
日本人の頭髪は平均して十万本、少ない人では七万〜八万本、多い人は十一万〜十二万本といわれています。
生まれつき髪の毛の多い人は、少ない人の差はかなりありますから見た目でもかなりわかります、しかし、髪が多く
見えるか、少なく見えるかは本数だけでなく、髪の毛の太さも関係しています。
毛髪の太さも、本数と同様に個人差があり、性別や年齢によっても違います。
髪の太さは、平均で0.05ミリから0.15ミリ、なかには0.18ミリもある、太い毛の持ち主もいるようですが、一般的に太い毛と
いわれる髪質は0.10ミリ以上のものもあります。
一生のうちで髪の毛が一番太いのは男性で二十歳前後、女性は少しずれて二十五歳から三十歳ぐらいです。このピークを
過ぎると毛はだんだん細くなります、十歳年をとるごとに0.03ミリ毛が細くなるという説もあるくらいで、老人になると毛の本数は
変わらないのに毛が細くなったために地肌が透けて見えたりします。
シャンプー
髪の毛が汚れていると、べたついてヘアスタイルがくずれやすくなり、頭皮のかゆみや炎症も起こします、洗髪の目的は、髪の毛や頭皮の汚れを
落とすことにあります。洗いたての髪の毛は美しくツヤがあり、ヘアスタイルも作りやすいものです、しかし、髪の毛が汚れてくるとツヤが失われ、
ヘアスタイルもまとまりにくくなるだけでなく、いろいろなトラブルや傷みを発生させる原因になります。
髪の汚れ
髪の汚れには、大きく分けて外からつく汚れと私たちの身体の中から出る汚れがあります。
外からの汚れはほこりで自動車の排気ガスや微細な土ボコリ、綿ボコリ、油煙などいろいろあります。
ヘアスプレーやフォーム剤などの頭髪化粧品も、時間が経って性質が変わってしまうと外因性の汚れの一種となります、ベタベタしたジェル
やフォーム剤は空気中のほこりを髪の毛にくっけてしまう、ありがたくない役目もしています。
私たちの身体から出る内因性の汚れには、皮脂や汗、フケなどがあります。
私たちの皮膚には皮脂線と呼ばれる、皮脂を分泌する器官がありますが、頭皮には、この皮脂腺が身体の他の場所よりも多く
存在しています、皮脂の分泌量も多く、髪の毛が密生しているため、頭皮はあぶらぽくなりやすい場所です。皮脂の中には
トリグセライドと呼ばれる成分があり、特にこのトリグリセイドが髪の毛のべたつきの原因のひとつになっています。皮脂の分泌には
男性ホルモンが関係しているので、一般的に男性のほうが女性よりも皮脂量が多くなっています。
また、新陳代謝の盛んな思春期は皮脂の分泌量も多く、それだけ髪の毛や頭皮があぶらっぽくなりやすいわけです。
もう一つの内因性の汚れは汗です、汗を分泌する汗腺には、エクリン汗腺とアボクリン汗腺があります。
一般に汗と呼ばれているものは、エクリン汗腺から分泌されます。エクリン汗腺は全身にあり、もちろん頭皮にもたくさん存在しています。
汗は、その99パーセント以上が水分ですが、頭部は髪の毛が密生しているので汗が蒸発しにくく、むれたような感じになっなり、
汗の成分である塩分が残ったりします。
フケも内因性の汚れの一つで、これは身体のあかと同じで、皮膚の新陳代謝によって一番外側の皮膚の細胞がはがれ落ちたものです。
皮膚の表面には、わずか0.2ミリくらいの薄い表皮があります。表皮の一番下の基底層と呼ばれる部分では、たえず新しい細胞が
作られています。細胞は次々と上の層に向かって押し出され、やがて寿命を終え、一番表面の角質層からあかとなって身体から
はがれ落ちていきます。頭皮では髪の毛が密集していて細胞が固まってはがれ落ちることが多く、目にとまるくらいの
大きさになったものをフケといいます。
皮脂や皮膚の角質層は本来、頭皮や髪の毛を保護する役割があり、私たちの身体にとって必要なものです、しかし、
老化したり古くなって変質したものは、トラブルの原因になるのでとり除く必要があります。
髪の毛が汚れていると、髪の毛がベタつくだけでなく、頭皮のかゆみや炎症を起こします。光や微生物によって
変質した皮脂が頭皮を刺激して、時には抜け毛の原因となることもあります。
シャンプー
シャンプーの良い条件は適度な洗浄性、きめ細かな泡立ち、洗髪後の仕上がり、低刺激性。
シャンプーは頭皮や髪の毛の汚れを落とし、清潔に保つことが基本性能ですので、適度な洗浄性は良いシャンプーの
大切な条件です。しかし洗浄力の強すぎるシャンプーや、頭皮などに対する刺激の強いシャンプーは良くありません、
髪の毛に必要な皮脂をとりすぎると、髪の毛のパサつきや乾燥性のフケの発生の原因になります。
抜け毛と脱毛
脱毛には、生理的な自然に起きる脱毛以外に、病的に起きる異常脱毛があります。
髪の毛を引っ張ると、中には抵抗なく簡単に抜けるものがありますが、これには退行期や休止期に入っている髪の毛が
自然脱毛したものや、何らかの原因で病的に異常脱毛してしまったものもあります、これらを見分けるには、
毛根の形状を観察すればわかります。自然脱毛は、毛根の形がマッチ棒のようになっています、健康な髪の毛で、
成長期にあるものを無理に引き抜くと、毛根部分が長く大きく、毛根の周囲や毛乳頭の下部に白い付着物がついていることが多いです。
一方、異常脱毛の毛根は棍棒状ではなく、萎縮していたり変形したりしているので判別できます。
病的な脱毛
病的な異常脱毛の原因には、内因性や外因性のものがあり、またさまざまなタイプがあります。
一般的に分類すると、休止期毛の異常脱毛には、男性型脱毛症や産後の抜け毛、ダイエットによる脱毛などがあり、
また成長期毛の萎縮による異常脱毛には、円形脱毛症や圧迫による脱毛、薬剤の副作用としての脱毛などがあります。
男性型脱毛症
男性型脱毛症は、いわゆる若はげといわれ、男性が大半です。症状は、前頭部から後頭部にかけて脱毛したり、
前頭部が後退していくのが特徴です。早い場合は10代後半から脱毛が始まり、30代からは急激に増加します。
早い場合は10代後半から脱毛が始まり、30代からは急激に増加します、メカニズムとしては、何らかの原因によって
徐々に髪の成長期が短くなり、長く伸びなくなります。そして細くて短い髪の毛が脱毛してきます。しかしこれは
ヘアサイクルが短くなっただけなので、毛根の形は自然脱毛の毛根と同じ、棍棒状をしています。
原因は、遺伝が大きな要因のひとつであることは昔からよく知られています。頭髪は女性ホルモンが支配しているため、
男性ホルモンの影響をうけて脱毛するとも言われています。対処としては頭皮を清潔にして、
育毛剤などで血行を促進させて少しでも成長期に移行させることが第一です。
男性ホルモンが男性型脱毛の進行にかかわっている可能性については、アメリカのハミルトン医師の研究によりますと
思春期またはそれ以前に去勢された男性では、男性型脱毛が見られないことを発見しました。
去勢によってこう丸を摘出すると、男性ホルモンを作ることができなくなります。そこで、去勢された男性に男性ホルモンを
投与してみたところ、家系的に男性型脱毛の素因のある男性に限って脱毛が見られるようになりました。さらに途中で
投与をやめても、いったんはじまった脱毛症状は進行こそしないものの、元に戻ることはありませんでした。つまり、
男性型脱毛は遺伝子的要因と男性ホルモンに依存し、不可逆的な変化であるということです。
男性は思春期にこう丸が発達しさかんに男性ホルモンを作りはじめます。この男性ホルモンのはたらきによってひげや胸毛
すね毛など男性に特徴的な毛が発達するのです。
血中の男性ホルモンの濃度は男性型脱毛の男性とそうでない男性との間で違いはありません。男性ホルモンが多いために
薄毛化が進むのではなく、遺伝子的な要因などによって男性ホルモンに対する感受性、あるいは男性ホルモンを受け取った
後の遺伝子プログラムに個人差があるために、男性ホルモンの血中濃度が同じでも男性型脱毛が起こったり起こらなかったり
するのです。男性ホルモンに対する毛包の反応性には個人差ばかりでなく、前頭部、後頭部といった部位差もあるわけですが
その差が何であるのかもまだはっきりしていません。
男性ホルモンの血中濃度上昇がその引き金だとすると、思春期むから薄毛化がはじまることになります。ところが、男性型脱毛
はふつう三十代ぐらいから目立ちはじめるものですから、男性ホルモン以外の要因も関与していると考えられます。
たとば脂性の人に男性型脱毛が多いことはよく知られていますが、皮脂の分泌も年齢とともに増していきます。多量の皮脂が
毛穴をふさぎ、そこに雑菌が繁殖して毛嚢炎をひきおこすことが脱毛の原因であると考える人もいます。しかし脂漏性脱毛症と
よばれるタイプの脱毛ではその可能性が高いものの、男性型脱毛の場合そういうケースはごくまれだと思われます。
男性型脱毛の毛包あるいはその周辺の皮膚組織には、炎症や組織変成は見られないのがふつうですし、たとえ皮脂を除くような
処置を続けても毛髪の顕著な回復は見られないからです。
それよりも、皮脂を分泌する皮脂腺も男性ホルモンによって発達することに、ヒントがあるように思います。
毛包も皮脂腺も年齢を重ねるにつれて男性ホルモンに対する反応が高まるのではないでしょうか。
血行と脱毛
男性型脱毛の原因として血行障害が考えられますが、毛包の周囲はまるで網で包み込むように、多数の毛細血管が取り囲んで
います。またバビラ内部にも、毛細血管が入り込んでいます。毛幹は毎日伸び続けているわけですから、毛幹や毛根鞘組織を作り
出すためのアミノ酸やスクレチド、脂質そしてエネルギー源としての糖などを大量に必要とします。
市販されている育毛剤の多くは血行を促進させる主成分が中心に作られています。けれど、後頭部や側頭部の皮膚をはがして薄毛化
の進んだ前頭部や頭頂部に移植すると、移植された皮膚では脱毛が見られません。したがって、単に頭部の場所によって血行や頭皮
の緊張度が違うことが原因であるとはいえないようです。もちろん移植した皮膚では、真皮の中にははりめぐらされた血管も一緒に移される
わけですので、もとの場所の血行の条件もそのまま移動された可能性はあります。しかしその場合でも、前頭部と後頭部の血行の違い
は生まれながらにきまってたわけですから、部位ごとに血管の発達の度合いを変えるような遺伝子プログラムがもともとあるといえます。
いずれにせよ、頭部には明らかな部域性があり、毛包のタイプあるいは血管の走行などが異なっており、その違いには個人差があるという
ことのようです。
薄毛と遺伝説
遺伝するということは遺伝子が親から子に伝わることですから、子供に父親と母親からそれぞれ半分ずつの遺伝子が伝わるという意味に
おいては、両親の性質を決めている遺伝子情報は確実に遺伝するといえます。しかし、遺伝子が伝わることと姿かたちや特徴が伝わる
こととは必ずしも一致しません。ただ遺伝子をもっているだけでは何も変化は起こらないのです。その遺伝子が転写されて、タンパク質に
翻訳されることによって、はじめて遺伝子がはたらくのです。それに、たとえ同じ遺伝子をもっていても、その遺伝子が一義的に姿かたちなどを
決めるわけではなく、それぞれの遺伝子のはたらく強さが違えば違った姿かたちになるのです。遺伝子のはたらきは周囲の環境によっても
変化しますし、ほかの遺伝子との組合せによってもかわってきます。親子で、薄毛化の進行速度やパターンが似ていることはよく知られて
います。けれども、親子は同じ環境に育つことも多いので、遺伝子の影響と環境の影響をきちんと分けて検証することはかなり難しいのです。
男性ホルモンに対する反応性や、前頭部、後頭部といった頭皮のパターンの個人差を決めているのはおもに遺伝子であろうと考えられますので
禿は遺伝するといってもおむね間違いではないでしょう。とはいえ、頭皮の血行を促進してやるなど、環境を変えることによって薄毛化が防げる
という報告もありますので、遺伝だとあきらめるべきはないかもしれません。
円形脱毛症
円形脱毛症は、突然、円形または楕円形に脱毛し、重度の場合は頭髪全体、あるいは全身の毛が脱毛することもあります、
原因としては、自律神経失調症やアレルギー説、自己免疫説などありますが、ホルモンの異常やストレス、神経系統の異常など、
精神的な要因も深く関与していると考えられます。
脱毛した毛根の形態は、異常に萎縮しているので、すぐに見分けることができます。
自律神経異常説は、ストレスが過剰になると、二つの自律神経のうちの交感神経が緊張して血管を収縮させるため、
頭部への血流が悪くなり、毛根への栄養補給ができず仮死状態となり脱毛するというものです。
円形または楕円形の脱毛部分の毛髪を軽く引張ることで、症状の進行状況がある程度憶測できます、
簡単に抜けるようなら病状の進行中ですので、少しでも早く皮膚科の専門医に相談することをおすすめします。
原因にもよりますが、普通2〜3ヶ月で回復することが多く、あまり気にしないことが第一です。
脂漏性脱毛症
頭部は髪のけが密集しており、皮脂腺、汗腺が多いため、体の他の部分よりあぶらっぽくなりやすく、
微生物が繁殖しやすいところです。不潔にしていると微生物の繁殖による皮脂腐敗物で、長期間の刺激や炎症などが起こり、
頭皮が赤くなってフケが多くなります、これを脂漏性湿疹と呼び、髪の毛には休止期毛が増加して脱毛しやすくなります、
脂漏性脱毛症のフケは脂っぽいために、頭の地肌にべったりとくっついていて毛穴をふさぎます。そのため、
毛穴から出るはずの皮脂が毛根を包んでいるもうのうにたまって炎症を起こしたり、頭皮についた腐敗物質が毛穴を
通して毛根に作用し、毛母細胞に変化を起こさせ、成長期毛が休止期毛に変化するために脱毛するのです。
この場合、髪の毛は細くて柔らかく、毛根の周囲に白い皮脂が付着しているのが特徴です。
日常の手入れとしては、洗髪の回数を増やして頭皮を清潔に保ち、殺菌剤入りのフケ防止シャンプーやリンスを使うといいでしよう。
まずは皮膚科の専門医に相談したほうがいいでしょう。
粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)
粃糠性脱毛症も脂漏性脱毛症と同様に、フケに起因する脱毛です。ただし、乾性のフケと非常に深い関係があり、
皮膚が乾燥することにより髪の毛の頭皮に対する執着力が低下して、ブラッシングなどで力がかかると簡単に脱毛してしまいます。
毛根の状態は、自然脱落毛とほぼ同じように棍棒状ですが、毛根の先端部分に、未角化の毛包の一部がシッポのように
付着しているのが特徴です。脱毛した髪の毛の三分の一以上が、このような毛根の場合は、
皮膚科の専門医に相談することをおすすめします。
ダイエットでの脱毛
肥満の治療やスマートになりたいための極端なダイエットや拒食症などでの脱毛ですが、脂肪やタンパク質を極度に控えたダイエットを
すると、髪に必要な栄養が行きわたらなくなって休止期毛になり、毛が抜けてるのです。
真っ黒の毛が赤茶けてきたり、毛が細くなり、艶がなくなってきたという場合には、全身の栄養状態の改善が必要です。
分娩後とかピル服用後の脱毛
女性ホルモンは成長期毛の寿命をのばすのと頭皮に潤いをあたえるという作用があります。そのために妊娠後期には女性ホルモンの
分泌が増加し、抜け毛は減る傾向ですが、この抜け毛の減少の裏には、成長期が終わるはずの毛の成長が、不自然に延長されて
いるという現象があり、出産後は女性ホルモンの分泌が、除々に正常な状態になり、成長期が延長された毛がいっせいに休止期に入って
脱毛するのです。しかし、しだいにヘアサイクルが回復し、約一年程度で元に戻ります。
ピルの服用を中止した場合にも、女性ホルモンの関係で脱毛がおきます。ピルは女性ホルモンと黄体ホルモンを配合したもので、
服用中は妊娠後期と同様に脱毛が抑えられますが、服用を中止すると出産後と同様に脱毛がおこりますが、回復しますので心配
は有りません。
抜けた毛のチェック
毛根がマッチ棒の先のような楕円の丸みをおび、付着物がなければ自然な脱毛です。
毛根の先が針状、萎縮している、白い付着物がついているなどの場合は異常脱毛の疑いがあります。
従来の自分の毛と変わらない太さや硬さなら自然脱毛。
依然より細くなった、こしや張りがなくやわらかくなった場合は要注意、とくに男性型脱毛の場合は、以前の
太さの半分ぐらいになる場合が多い。
抜け毛の長さがねほかの頭髪と同様の長さなら自然脱毛。
抜け毛が異常に短いとか、うぶ毛のように短い状態なら要注意。
抜け毛の長さの観察によって、毛周期が正常になっているのかどうか、毛根が健康な状態かどうかがわかります。
抜け毛が異常に短い場合は、毛が後期成長期まで育つ前に抜けていると考えられます。
この長さのチェックは、取り出した一本だけでなく、一日の抜け毛全体から短い毛がどの程度まじっているかの
割合を見ることも大事です。その割合が増えれば増えるほど、脱毛症が進行していると考える必要があります。
一日に五十〜七十本程度の抜け毛なら正常範囲。一日に抜ける本数が百二十本以上続いたら要注意
健康な毛髪は、ヘアサイクルによって、毎日抜けていきますが、抜ける本数は、個人差があるほか、健康状態
季節、年齢などによっても違ってきます。また、抜け毛は日によっても差が出るので、本数を調べるには、
少なくとも一週間分の抜け毛の平均値を見る必要があります。
季節によっては一日に二百本以上も抜けることがありますが、平均本数が百を越えていなければ、異常とは
いえません。
抜け毛の数え方としては、毎日同じ時間を決めて、丹念にブラッシングして、落ちた毛を拾って毛根のあるものを
数えます。毛先だけのものは数えません。このとき、ブラシにからまった毛も忘れずに数え、きれいに掃除しておきます。
脱毛した髪の毛の写真と髪のキューティクルの傷みの状態
薄毛の原因
?男性ホルモンの原因の
薄毛は、頭頂部か前頭部から始まり、年とともに進行します。
毛の数は変わりませんが、毛が細く、短くなって成長期間が
短縮されることから目立つようになり、やがてはげへと進行します。
この薄毛を男性型脱毛といいます
睾丸で作られたテストステロンとよばれる男性ホルモンは、血流に乗って
頭髪の毛球細胞に達すると、細胞膜を通って細胞質の中に入ります。
細胞質には5αーリダクターゼという酵素があり、入ってきたテストステロン
をホルモン作用が五倍も強いDHTに変えてしまいます。強力になったDHTは
さらに細胞核に入り込んで代謝系に作用するようになります。とくに細胞の
エネルギーとして役立つATPが産生されなくなれば毛のタンパク合成ができなく
なり、毛母細胞は生活力を失って角化しはじめ、やがては休止期毛になって
しまいます。そして休止期に入った毛は約三ヶ月で脱毛します。
男性型脱毛症では、最初のうちは後期成長期毛である太い毛が抜けますが
抜けた毛穴から生えてきた毛が十分に成長しないうちに男性ホルモンが
作用して脱毛するために、まだ細いうちに抜けるようになります。
このように、男性型脱毛症が進行すればするほどに、未熟な毛の脱毛が増えて
細っていくのです。男性ホルモンは、毛根だけでなく皮脂腺を活発に働かせるため
分泌物が増えて頭皮がべたつきやすいのです。ヘアケアとしては毛髪と頭皮の
清潔が第一ですが、頭皮の血行をよくすることも大事です。
男性ホルモンの一種であるテストステロンが、酵素により、より
生物活性の高いDHTに変換され、このDHTの作用によって、
薄毛、脱毛が引き起こされると言われています。
?乾燥してつっぱった頭皮では、頭部皮下組織の末梢血管の血液量
が減少することで、発毛を妨げ、抜け毛を起こします。
?毛乳頭毛細血管の血液量が減少することで、新陳代謝が低下し、
毛根が衰え、髪が育たなくなる。
?過剰な皮脂が分泌されて、それが酸化したり、雑菌を繁殖させたり、
フケがたまるなどの原因で毛穴に詰まることで、発毛が妨げられます。
育毛の基本
シャンプーの役目は髪毛を洗うのも目的の一つですが、毛根をしっかり
洗うことによって余分な皮脂を取り除くこととマッサージ効果で毛根に酸素
を十分にあたえること。
シャンプー
自然の状態の髪の毛には、油分が含まれています。この油分は湿り気や柔軟性を与える、外部からの有害物質
や細菌の侵入を防ぐ、体内からの水分の放出を防ぐなどの機能があります。髪を保護する大切なものなので
す。したがって、油分がなくなると、枝毛、抜け毛、切れ毛の原因になり、ツヤや弾力もなくなります。
そして、歳をとるにしたがい、はげたり、薄くなっていくわけです。
ところが、シャンプーには合成洗剤に使われている界面活性剤が含まれています。界面活性剤は、その強力
な洗浄力で頭皮や毛髪の油分を取り、キューティクルを破壊してしまいます。
キューティクルは数層からなっている非常に薄い膜で、その大切な役割は髪の毛の内部の保護です。
正常な髪ではきちんとそろっていますが、界面活性剤入りのシャンプーを使っている人の場合はボロボロ
になっているケースが見られます。大切な油分を汚れとして取り除いているのです。
シャンプーには、泡立ちを作る増泡剤、増粘剤、紫外線吸収剤、殺菌防腐剤、香料、着色剤などが加えられて
います。容器に表示されているアレルギーを起こす可能性のある成分は、殺菌防腐剤、香料、タール色素など
ですが、どのような化学物質がどれほど配合されているかはわかりません。
リンスについて
リンスは髪毛にはいいですが、頭皮にはよくありません、リンスの成分が頭皮の
炎症を起こすことがあるからです。
リンスは、シャンプー後の髪になめらかさを与え、しっとりさせるためのものです。
カチオン界面活性剤と高級アルコールが形成するゲルのなかに油分を配合しています。
カチオン界面活性剤は毛髪に吸着し、摩擦を少なくします。いったん吸着したカチオン界面活性剤や油分は、
単なる水洗いでは落ちません。つまり、界面活性剤や油分がずっとついたままなのです。
油分は、毛髪になめらかさを与える効果が高いシリコーン油が用いられています。シリコーンはケイ素を含む
高分子化合物。化学反応を起こしにくいため、医療品や電線の絶縁剤などに使われてきました。しかし、胸を
豊かにする手術でシリコーンを埋め込んだあと皮膚や関節が硬くなり、痛みが起きた女性が増え、ガンや免疫
異常を引き起こす恐れも指摘されています。アメリカでは、食品医薬品局が92年に臨床試験以外の使用は
認めないと決定し、製造中止になりました。
食生活の改善
脱毛、薄毛は毛根に血液がいきにくくなることも大きな原因ですので、血液を
さらさらにしたり、血管にコレステロールをためない食生活をすることも大切です
このことは将来成人病の予防にも効果があると思います。
ブラッシングとくしの害
ブラッシングなどは毛を引っ張ることによって毛根を刺激して血行よくしますが、
ブラシ、くしの材質などがプラスチックのために静電気によって髪が痛んだりしますし
ブラシ、くしで強く力を入れることにより頭皮をきずつけたり、毛根を痛めたりします。
くしはつげの木のくしがいいですし、ブラシは豚、イノシシの毛のものを使いましょう。
整髪料
ヘアスタイルを整え、セットしたヘアスタイルを長持ちさせるのが本来の目的ですが、
同時に毛髪に油分、水分を与えて健やかに保つことができればそれにこしたことは
ありません。そのための整髪料にはセット力を高めるためポリビニルピロニドンなどの
水溶性高分子化合物が、油分としてエステル油などが、また、水分を保つために
グリセリンなどが配合されています。整髪料には油性整髪料のヘアオイル、ポマード
乳化整髪料のヘアクリーム、液体整髪料のヘアリキッドなど多くの種類がありますが、
実際にはヘアクリームなどの乳化された油脂類で十分といわれています。女性がおもに
使用している整髪料には泡状のムースタイプ、、霧状のミストタイプなどがありますが、
いずれにせよ、これらの整髪料は特に毛に傷害わ与えませんので安心して使用できますが
育毛剤を同時に使用する場合は先に育毛剤を使用して下さい。
育毛剤とマツサージ
育毛剤には、男性ホルモンの働きを抑えるホルモン剤、毛包の血液循環を良くする
血管拡張剤、糖分ねビタミンなどの栄養分を含有する栄養剤などあります。
外用方法は朝夕が原則ですが、夜に一回でもいいと思います。
心臓より高い所には血液は流れにくいので、就寝時は頭皮への十分な血液循環が
期待できるので育毛効果が期待できます。
子供のころは頭皮にゆるみがありますが、大人になるとつっぱってきますので、頭皮を
マッサージして頭皮の緊張を緩め、頭皮への血流を良くしましょう。
マツサージも毛根を痛めたり毛と毛が擦れ合って切れ毛や枝毛にならないように
頭の横から上にもみ上げるようにしましよう。
今注目のざくろの実
ざくろの実には人間の女性ホルモンと同じ成分が含まれていて食べることで女性ホルモン
を体にとり入れることができ女性の場合は更年期障害などの改善と冷え症とか、肌の潤い
をたもつなど、女性ホルモンの不足による病気の改善に効果があるそうです。
男性の場合は脱毛の抑制、白髪の防止に効果があるそうです。
男性型の脱毛の場合は男性ホルモンが影響しますので、女性ホルモンを摂取することで
男性型の脱毛症が抑制できるのかがこれからの研究課題です。いいままでにもノコギリヤシに
も女性ホルモンと同じ成分が含まれるということで、薄毛の治療に使われているお医者さんが
います。その方の意見ではかなりの方に効果があるとのことですので、ノコギリヤシよりざくろの実の
方が女性ホルモンの含有率がたかいのでもし効果があれば大変うれしいですが。
男性が女性ホルモンを取ることによって女性的になるのではないかと言う疑問がのこりますが、
大量に取るわけではないし、イランやその他の国では男性も果物として毎日のように摂取している
みたいなので、心配はないようです。
ただいま研究中ですのでなにか変化がでれば報告いたします。
今話題のミノキシジルの育毛剤、リアップについて
リアップはミノキシジルを有効成分とする、日本で初めての壮年性脱毛症における発毛剤です。
壮年性脱毛症とは男性型脱毛症とも呼ばれ、一般的に遺伝性の薄毛又は抜け毛で、年齢ととも
に進行するものです。本来毛髪には一定の寿命があり、成長したあと自然に抜け、再び同じ毛穴
から新しい毛髪が生えてきます。この成長期(2年〜6年間)、退行期(2〜3週間)、休止期(3〜4ヶ月)の
繰り返しをヘアサイクル(毛周期)といいますが、壮年性脱毛症の頭皮では成長期の毛包(毛根を包む組織)
が十分に成長せず、早く退行期、休止期に移行してしまい、毛包が小さくなっていきます。それによって
成長期の毛髪の割合が減少し、抜け毛が増え、太い毛髪が細くなるのです。
こうした壮年性脱毛症に対してミノキシジルが効果を発揮します。
ミノキシジルは、もともとアメリカにおいて血管拡張作用を主作用とする高血圧治療剤として開発されましたが
治療中の患者に多毛症が認められたため、改めて外用薬として開発されることになりました。
ミノキシジルは毛包に直接作用して細胞の増殖やタンパク質の合成を促進することによって、休止期にある
毛包の成長期への移行を促進します。さらに生えてきた新しい毛の毛包に対し、後期成長期毛包への移行
を促進して維持することで後期成長期毛を増やし、効果を示すのです。
ただし毛髪の成長には個人差があるので、だれにでも効果があるわけではありません。
女性や未成年の方、円形脱毛症や甲状腺疾患による脱毛など壮年性脱毛症以外の脱毛症の方は使用しないで
下さい。脱毛が急激であったり、家族や兄弟に壮年性脱毛症の人がいない場合などは壮年性脱毛症でない
可能性がありますので使用しないで下さい。
高齢者、高血圧、低血圧の人、心臓又は腎臓に障害のある人むくみのある人も医師に相談してから使用して下さい。
さらに、壮年性脱毛症であっても、脱毛の部位や範囲によって効果が得られない場合もあります。
効果が認められたのは、主に頭頂部の毛髪が薄くなるタイプです。
薬の用量や回数をふやしても効果は同じで、副作用の発現する可能性が高くなります。
毛髪が成長するには時間がかかるので、効果がわかるようになるまで少なくとも6ヶ月間、毎日使用する必要が
あります。壮年性脱毛の原因を取り除くものではないため、使用を中止すると毛髪の状態は徐々に元に戻ります。
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